厚生労働省が2020年に提示した「産後ケア事業ガイドライン」に基づいて、全国の自治体で、産後ケア施設の整備をはじめています。
産後ケア事業の実施方法は、宿泊型、アウトリーチ型、デイサービス型の3種類がありますが、宿泊型に焦点をあて、全国の市町村別の実施施設数の状況を調査しました。
調査方法は2023年8月~10月の期間に、各市町村のホームページに掲載されている施設を対象にしました。
全国の都道府県別に、さらに市区町村のホームページを調べてリストにしました。
リストに載っていない市区町村は、ホームページに産後ケア施設の情報が掲載されていない場合、または施設情報はあるが宿泊型以外の、アウトリーチ型またはデイサービス型のみの実施の自治体、未だ計画中で産後ケア事業が実施されてない自治体、等です。
実際の実施内容については、各施設によって様々なため、利用にあたっては自治体や施設にお問合せすることになります。
各自治体のホームページを検索した時に、『産後ケア事業』のページの表示がすぐに検索できること、また実施施設まで表示されることが、自治体の産後ケア事業への取り組み度合の深さを推測できます。これは産後ケア施設の利用希望者にとっても、ホームページで分かりやすく詳細な情報が得られることにもつながります。
産後ケア施設は、各自治体との委託契約で行っていますが、市町村や県をまたいでの利用ができるケースもあります。これは地理的要因なども含まれるようです。また自治体間の連携や文化背景なども考えられます。
今回の調査は、産後の両親と赤ちゃんとの大切な出会いの時期に、助産師をはじめとする出産や育児の専門家による丁寧なケアがより有効にできる宿泊型の産後ケア施設に焦点を当てました。
今後、全国で産後ケア事業の整備が進み、産後の親子や家族が利用しやすい産後ケア施設の充実が望まれるところです。
<注釈>
・掲載した施設名は、自治体または各施設のホームページに記載されたものです。
・(※HP施設名記載なし)…各自治体のホームページに、宿泊型の委託契約を行っていることは記載されているが、施設名の記載がないものです。
・施設名が当該の自治体に記載されていないが、他の自治体に記載されている場合もあります。基本的に各自治体のホームページに記載に基づいているためです。